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「生涯投資家」を読んで

■著者:村上世彰

■読了日:2018/5/27

■習慣化したい行動

■習慣化したい考え方
 ・失敗しない投資など投資とは言えない、と私は思っている。
  投資家として大事なことは、失敗したと気がついた時いかに素早く思い切った損切りができるか。
  下がり始めたら売る決断をいかに速やかにできるか、ということだ。
  それによって失敗による損失を最小限に止めることができる。
 ・「期待値」が高いものに投資する。
  100円を投資する場合の「期待値」の計算法
  -0円になる可能性が20%、200円になる可能性が80%であれば、期待値は、1.6(0*20%+2*80%)
  -0円になる可能性が50%、200円になる可能性が50%であれば、期待値は、1.0(0*50%+2*50%)
 ・私は教育方針上、子供達に物の値段と、それに対する食事の質やサービスの質と価格の天秤を
  頭の中で考えさせるいい機会だと思っているし、自分がいくらと予想するか、相手がいくらと予想するだろうか、
  などと周りを見渡し考えることは、将来的により正確な期待値を導き出す素地を作ることにながっていると考える。
 ・株式市場では長期の利益予想も織り込んだ上で株価が形成されるため、
  中長期的な成長も含めた株の成長ストーリーをつくらなければいけない。
  その意味では、すべての投資において長期投資という視点が必要なのだ。長期投資は良いが短期投資は悪い、
  という論調をよく見かけるが、私からしてみると、短期投資と長期投資を分ける意味などない。
 ・経営者の役割とは
  自らの利益ではなく、会社の成長と株主利益の最大化のために運営する。
  会社に損害を与えないための善管注意義務もある。
 ・世間からは、買い方が酷いとかずるいなどと言われていたようだが、「いかに安く仕入れて高く売るか」は、
  どんな商売においても根本だ。
  あくまでルールに則って、その中で何ができるかを考えるのは当然だ。
 ・私は何度も繰り返し、「どのような資金計画になっていて、投資するとすればIRR(内部収益率)で
  どのくらいを見込んでいるのか」と言った資金政策に関する質問を投げかけた。

■参考になったこと
 ・コーポレート・ガバナンス:
  投資先の企業で健全な経営が行われているか、
  企業価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、
  株主が企業を監視・監督するための制度
 ・根底には、会社の重要な意思決定はカビ主総会を通じて株主が行い
  株主から委託を受けた経営者が株主の利益を最大化するために経営絵する
 ・経営者と株主の緊張関係があってこそ、健全な投資や企業の成長が担保できる。
 ・私は投資家であって、経営者ではない。
  投資家と経営者では、必要な能力や資質が全く違うと思っている。
  投資家はリスクとリターンに応じて資金を出し、会社が機能しているかを外部から監視する。
  経営者は、投資家に対して、事業計画を説明し、社内の人材や取引先などをマネジメントして
  最大限のリターンをだす。
 ・「期待値」のほか、私が投資判断を行うにあたって重視している指標が
  IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)
  手堅く見積もっても、IRRの数字が15%以上であることが基準となる。
 ・アメリカでは通常「株主+経営者vs.従業員」という構図で経営がなされる。
  日本においては、「株主vs.経営者+従業員」となっている。
 ・商法では、多額の投資には取締役会の決定が必要だと決まっている。
 ・鉄道事業は赤字にならない仕組みだ。
  鉄道事業法・鉄道営業法という法律の下、必ず利益が出る運賃設定になっている。
  同時に公共性の高い事業ゆえ、利用者を保護する目的で事業にかかるコストを
  無制限に運賃に転嫁できない決まりもある。
 ・ISSの文句寿司は、既得権益の中で生きる人々から裏切り者扱いされていた。
  KKRのクラビス氏は、「乗っ取り屋」と呼ばれ、日本よりはるかに高い価値を保っているのは、
  彼らのような存在が市場に対して行動を起こして戦い、
  コーポレート・ガバナンスが機能する環境を気づいてきたからだと思っている。
  アメリカの社会には、行動によって世の中を大きく変えていくダイナミズムと、
  それに対する憧れがあるのだと思う。
  だから日本企業のPBRは平均で1なのに、アメリカ企業のPBRは平均3なのだ。
 ・光通信の重田氏から「光通信の株価が低くPBRも1倍を切っている状態だが、どうすればいいだろうか」と
  相談されたことがある。私は、「自社の株価が安いと思うのなら、その時こそ徹底的に自社株買いを行うべきだ」と
  アドバイスした。
 ・GDPは、もう四半世紀伸びていない。成長なきところに投資は起きない。
  投資家にとっては、成長こそ最重要事項と言っても過言ではないからだ。
 ・大企業の不祥事が立て続けに起きた。そのため同じ2002年のうちに、公開会社に適用される
  監査制度、コーポレート・ガバナンスやディスクロージャーなどに関するアメリカ企業改革法(サーベンス・オックスレー法)が制定された。
 ・日本の株式市場の規模は、およそ500~600兆円。
  アメリカの株式市場の規模は、およそ2000兆円だから、日本の3~4倍の規模となっている。
  しかし上場している企業数は、いずれも二千数百社と大して変わらない。
  これは純粋に、同じ規模の純資産を歩数する企業であるにもかかわらず、日本企業の価値は、
  株価に反映されていないということを意味している。日本の企業が将来的に現在の資産以上の価値を生み出すと
  期待されていない、と言い換えることもできる。
  これは、投資家の「期待値の差」であり、投資家への「リターンの差」を意味する。
 ・アメリカでは50%ほどが株式・投資信託・債権での保有で、現預金は10%超に過ぎない。
  従業員へのストックオプションの提供が日本と比較して圧倒的に多いこともあり、
  「投資こそが将来への貯蓄」と広く認識されているように見える。
  一方、日本では、会社も家計も、みんなが資金を手元に溜め込む。
 ・投資を行い、やがてその株式を売却し、また別のところに投資するのは、
  株式市場においてごく自然な流れだと私は思う。
 ・株主はあくまでも資金の出し手であって、投資先の企業が行なっている事業の専門家ではない。
  その分野もしくは企業が成長すると期待し、法律で規定されている権限によって経営を託すのだ。
 ・日本の上場企業のように、何も生み出さないままの状態で資金を寝かせてしまうと、
  そのまま塩漬けになり、成長のために積極的に資金を必要としている企業へ回っていかない。
  そうやって市場は停滞し、経済全体が沈滞してしまうのだ。
 ・公的機関が筆頭株主というのは、政府による民間企業への介入がたやすくなる危険性もあるから、
  好ましい状態とは思わない。
 ・私は、これからの日本にとって何より大切なことは、資金の循環だと信じている。
  資金の循環は、投資を中心としておこる。投資をし、リターンを得てその投資を回収し次の投資を行う、
  という流れは決して悪いことではない。
 ・私が目指してきたことは常に「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」であり、
  それによる日本経済の継続的な発展である。

■感想
 村上ファンドの社長である村上世彰の著作。
 僕自身は中学か高校生の頃にテレビで見かけるだけで
 ハゲタカのような悪い印象しかなかった。
 ただ、投資家で自立を目指すものとして参考になることが
 たくさんあるだろうと思い読んでみた。
 
 本の中には当時の印象とは全く違った人物像で
 市場を良くしよう、日本経済を継続的に発展させる環境にしようといった
 高い志を持ち奮闘している投資家がいた。
 
 元官僚ということで政界のことや、投資家転身後のさまざまな投資案件について
 投資の考え方を交えながら、上記の内容だけでなく、非常に勉強になることが多い。
 
 また、ニュースにもなったライブドアによるニッポン放送の買収劇の裏側など
 当事者としての体験は興味深かった。
 著者の、考え・思いが正しく世間に伝わらなかった、伝えられなかったことへの
 後悔も見受けられた。
 あとがきでは強制捜査によるストレスで長女が流産したことにも触れ
 懺悔の書とも捉えられた。
 
 個人的にはすべての社会人に読んでもらいたい。



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